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ホイグリン(系)カモメ20091213

ひきつづき、13日のカモメを。
すべてホイグリン系カモメ "taimyrensis" 。
観察を集中的に始めた5年くらい前から、同じ個体が同じ漁港に毎年渡来している。
一方若いカモメは続けてこないことも多いように感じる。

成鳥になって越冬地が決まると、変えずに毎年同じところを選ぶのだろうか。それとも若鳥の死亡率が高いから、そのように感じるのだろうか。はたまた成鳥と若鳥では越冬するエリアが広域的に異なるのだろうか。




ホイグリン(系)カモメ20091213_d0146038_031792.jpgホイグリン系カモメ"taimyrensis" 成鳥冬羽
通称「ちび子」。2005年からずっと渡来を確認。金田のアイドル(?)。



ホイグリン(系)カモメ20091213_d0146038_0284495.jpgホイグリン系カモメ"taimyrensis" 成鳥冬羽
まだ名無し。確か2006年からずっと渡来を確認。



ホイグリン(系)カモメ20091213_d0146038_02908.jpgホイグリン系カモメ"taimyrensis" 成鳥冬羽
通称「おやぶん」。2003年?から渡来を確認。他のカモメを蹴散らす性格の悪い(?)カモメ。いつも大きな群れのそばにいて、誰かが餌を見つけると真っ先に武力行使し横取りする。



ホイグリン(系)カモメ20091213_d0146038_0291571.jpgホイグリン系カモメ"taimyrensis" 成鳥冬羽
通称「長老」。2003年から渡来を確認。この群の中でいちばん体が大きいが、「おやぶん」より温和な性格。群から少し離れていることが多い。



ホイグリン(系)カモメ20091213_d0146038_0293078.jpgホイグリン系カモメ"taimyrensis" 成鳥冬羽
2007年から渡来を確認。まだ名無し。バラベンシスを疑われる個体はこういうタイプだと思うが、換羽状況や足の色からそうでないと推定できる。これが春になって足の色が鮮やかになると、一見似たようすになるのだと思う。




今年の10月に「鳥の自然史 【空間分布をめぐって】」という本が出版された。
1章まるまるカモメ類の遺伝的構造について書かれていて、大変興味深い。

鳥の自然史―空間分布をめぐって

天野一葉 / 北海道大学出版会



*注:文中47ページに“timyrensis"とあるが、"taimyrensis" の誤りである。
by synthliboramphus | 2009-12-15 00:42 | カモメ Gulls